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フェムトマガジン(第815号) 起業のコーポレート業務(第1章その2)+上場までの資本政策(2024年12月その3)

今週は、連載「起業のコーポレート業務」第1章その2と、上場までの資本政策(2024年12月その3)の二本立て、です。

今週の「上場までの資本政策」では以下の5社を取り上げますが、

  • キオクシアホールディングス

  • GVA TECH

  • visumo

  • フォルシア

  • ビースタイルホールディングス

まずは「起業のコーポレート業務:第1章その2」から。

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起業のコーポレート業務

前回は、スタートアップがファイナンスを行う上で必要な予算/中期事業計画の策定について、サンプルを用いてポイントをお伝えしました。

今回は、ファイナンスのスケジュールを組む上で必ず勘案しないといけないバーンレートとランウェイに触れた後に、ファイナンス検討のための基礎知識について説明します。

■バーンレート

英語表記ですと「Burn Rate」で、スタートアップの手元資金が毎月「燃えるように」どれだけ減少しているかを示す指標です。

損益計算書上の損失とは異なる概念でズレることが多く、実際に銀行残高が毎月どれだけ減少しているか、がベースになります。

下記の事例ですと、1月末時点で500百万円あった現金が4月では410百万円になっているため、(500-410)÷3という計算でバーンレートは30百万円となります。

一方で、同期間におけるP/L(損益計算書)上は20百万円であり、30百万円との差異は減価償却費や運転資本の変動などによるものです。

(百万円)   1月    2月    3月    4月
銀行残高    500    480    450     410    平均で▲30の減少
P/L(損益計算書)     ▲10    ▲30   ▲20    平均で▲20の損失

■ランウェイ

次にランウェイですが、英語表記をすると「Runway」で、飛行機が飛び立つ際の滑走路、走り幅跳びを行う際の助走路といった「時間制限の設けられた道」を意味する言葉として用いられるのが一般的ですが、スタートアップにおいては「現金が尽きるまでの残存月数」を意味します。

手元現金÷バーンレートで算出するのですが、上記の例でいいますと、4月末時点での銀行残高は410百万円で、バーンレートは30百万円なので、410÷30=約13ヶ月となります。

より正確にランウェイを予測するには、

(以下、

  • より正確なランウェイ予測

  • 運転資本と課金体系設計

  • ランウェイとして確保すべき期間は?

  • 資金繰表

  • ファイナンスカタカナ用語の誤用(コラム)

  • 事業リスクとファイナンス

  • エクイティファイナンスをする前に

  • エクイティファイナンスのラウンド

  • 派生ラウンド多すぎ問題考察(コラム)

などと盛りだくさんです。続きは有料部分に!)

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