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フェムトマガジン(第813号) 起業のコーポレート業務(第1章その1)+上場までの資本政策(2024年12月その2)

今週は、連載「起業のコーポレート業務」第1章その1と、上場までの資本政策(2024年12月その2)の二本立て、です。

まずは「起業のコーポレート業務:第1章その1」から。

起業のコーポレート業務 第1章その1:チャレンジのための計画策定、正しい資金調達と管理

■予算/中期事業計画策定

そもそも予算/中期事業計画が必要なのはなぜなのか?

そもそも「予算」や「中期事業計画」が必要なのはどうしてなのでしょうか?

とある起業家が、「沢山の方に使ってもらえそうなサービスを閃いた!これで世の中を良くすることができる!」と思いついたとします。

実際はこれだけでは不十分で、

  • そのサービスを提供するのにどれくらいお金がかかるのか(=初期投資)、どれくらいの時間がかかるのか(=サービスインまでの時間軸)

  • サービス提供後どれくらいの価格感(=プライシング)で、どれくらいの人に使ってもらえそうなのか(=潜在顧客市場)

  • サービスの存続にはどれくらいの規模感が必要なのか(=損益分岐点)

  • さらに成長させるためにはどれくらいお金がかかるのか(=追加投資)

などなどを検討する必要があります。

ここで、序章で記載したスタートアップの定義・特徴を改めて記載すると、

①革新的なビジネスモデルによって社会にイノベーションを起こす
②エンジェル投資家やVCといった投資家から出資を受けることで①を加速させ、M&Aや株式公開(IPO)によって短期的な投資資金の回収を目指す

ということで、②は①の実現のための手段ということになるのですが、投資家としては「やってみないと分かりません!」では困るわけです。

投資家から出資を受けるためには、起業家が自分のアタマの中にある構想を数字に落として、投資家に「これならいけそうだ!投資金額が■倍になりそうだから投資してみよう。」と思わせる必要があります。

スタートアップが予算/中期事業計画を策定するのは資金調達のためである、というのは間違いないのですが、あくまで資金調達は事業構築・推進の手段に過ぎません。そもそも中長期的に事業として成り立ちそうなのか、そのための前提は何かなど、スタートアップにとって予算/中期事業計画は経済合理性を含めた仮説を検証するためのツールということになります。

特に初期の頃は、そもそも仮説自体が誤っていたなんてことはザラなのですが、予算/中期事業計画でそれをしっかり定義して定期的に検証できてないと、ピボットすることすらできずに、ズルズルと資金と時間を浪費し続けてしまうことになりかねません。初期の時点では粒度の細かさよりも仮説が数字として整理されているかのほうが大事です。

(以下、予算/中期事業計画を「計画」と呼称し、

  • 策定する理由とその機能

  • どれくらいの時間軸で策定すればいいか

  • 月次/四半期/半期/年次のどれで区切るか

  • スプシサンプルを用いた策定のポイントや注意点

  • 資本政策との関連性

などについて述べていきますが、続きは有料部分に!)

ご興味がありましたら、下記のリンクからご覧ください。

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