フェムトマガジン(第817号) 起業のコーポレート業務(第1章その3)+VCはいかに株式を売却するか?(2023年その18)
今週は、連載「起業のコーポレート業務」の第1章その3と、VCはいかに株式を売却するか?(2023年その18)の二本立て、です。
今週の「VCはいかに株式を売却するか?」では以下の3社を取り上げますが、
雨風太陽
ナイル
マーソ
まずは「起業のコーポレート業務:第1章その3」から。
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起業のコーポレート業務
前回は、スタートアップがファイナンスのスケジュールを組む上で必ず勘案しないといけないバーンレートとランウェイに触れた後に、ファイナンス検討のための基礎知識について説明しました。
今回から何回かに分けて、ファイナンスのスケジュール・プロセス・ポイントなどについて詳細に解説していきます。
■ファイナンスの準備はいつから始めればいいか?
ズバリ、着金の約半年前からの準備を推奨します。
下記、図表1-8のMは「Month(月)」を表示しており、M-7は「7か月前」を意味しています。最初の3か月は①②の準備フェーズとしています。
私がこれまで見てきたファイナンスの失敗事例を紐解くと、充分な準備を行わず投資家候補との交渉に入って撃沈したり、充分な資金を確保できなかったりするケースが多いです。準備の段階で既に勝負はついていると思ってください。
図表1-8:想定プロセスとスケジュール
クロージング(着金や登記)から逆算してスケジュールを引くのですが、前述したバーンレート/ランウェイも勘案して、余裕を持つようにしましょう。
資金調達は途中でシナリオが狂い長期化することもあります。クロージング時点で3か月、できれば6か月のランウェイを確保してください。ランウェイに余裕がなくなると、心理的にも追い詰められて稚拙な意思決定を誘発する恐れがありますので。
今回は、ファイナンスの準備フェーズの前半部分を説明していきます。
投資家候補リストアップでは参考になるデータソースを紹介したうえで、リストのサンプルを公開しています。また、資本政策シミュレーションや、Exit(株式上場を想定)から逆算して現在のValuationに合理性を持たせる方法についても触れています。
実務にお役に立つ内容かと思いますので、ご興味がありましたら下記のリンクからご覧ください。
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