フェムトマガジン(第671号)サザビーリーグ社の国税不服審判所の裁決と種類株式

「アフタヌーンティー」ブランドなどを展開するサザビーリーグ社の創業者およびその資産管理会社が、東京国税局から計約80億円を追徴された課税処分について、国税不服審判所が全額を取り消す裁決をしたという報道が、先週ありました。

2月24日の時事通信社の報道によると、

 関係者によると、鈴木氏らはサザビー社が親族の投資会社に吸収合併される際、投資会社の新株を1株5万円で計30億円分取得。吸収合併の後、投資会社が一部を1株8万円で買い戻した。
 鈴木氏らは計9億円の売却益を税務申告したが、東京国税局はサザビー社の吸収合併で投資会社の資産は増えており、1株84万円での買い戻しが相当と判断。鈴木氏らに計約210億円の申告漏れを指摘し、過少申告加算税を含む計約80億円を追徴した。
 鈴木氏らは2019年12月に審査請求し、「買い取り額は投資会社の定款で定められており適正だ」と主張。裁決は「国税局の主張は根拠が明確でなく、処分は違法だ」と指摘した。

 

とのこと。

ここで「買い取り額が投資会社の定款で定められていた」ということは、(定款で定められる)種類株式の取得条項が論点になった可能性があり、そして東京国税局は追徴を決定したのに、国税不服審判所がそれを取り消す裁決をした、と判断が大きく分かれたのは、それがどういった記述になっていたからなのかというのは、種類株式の実務としても、非常に関心が湧くところであります。

ということで、報道された資産管理会社やサザビーリーグ社の登記簿を拝見して、内容から何が学べるかを考えてみました。

ご興味がありましたら、下記のリンクからご覧ください。

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