週刊isologue(第33号)日本の国債は「紙くず」なのか?(国の財務書類・貸借対照表編)

今、世間では「事業仕分け」の話題がホットですね。

国の数字が一般にビジネスをやってる人たちに今一つ分かりにくいのは、金額が100兆円1000兆円とバカデカくてイメージが湧きにくいこともさることながら、現金主義的でストック概念も無い等、一般の企業会計と全く異なる体系で処理されているところではないかと思います。

もちろん、国家予算についてちゃんと勉強すれば理解できるのでしょうけど、「基準」が違うというのは「見る側」にとっては非常にうっとうしい。

企業会計の世界では今、全世界がIFRS(国際財務報告基準)に統一されようかという流れになっていますが、IFRSを採用していないアメリカや日本でも、IFRSとの大きな相違点は無いように(コンバージェンス)されていますので、大雑把に見ればIFRSと大差ないとも言えるわけです。

にもかかわらず、これを完全に一致(アドプション)させようというのは、「数字を見る人にとっては、ほんのわずかな基準の違いさえウザい」ということを端的に表しているのではないかと思います。

ましてや、企業会計と全く異なる政府の数字を、一般のビジネス界の人が忙しい時間を割いて勉強しながら読むなんてことは、面倒なことこの上ないわけで、実際やってる人はほとんどいないはず。

私も上記のような問題意識があったので「公会計」の情報はポチポチ入手してはいたものの、具体的なケースについては不勉強であまり見たことがなかったんですが、ツイッターで池尾和人教授から「国の財務書類」が公表されていることを教えていただきました。

(ツイッターで一応お礼は申し上げたのですが、重ねて御礼申し上げます!)

一通りしか見てませんが、これはスゴい!

もちろん、公会計なので企業会計と異なる部分も多いのですが、それでも、貸借対照表があるだけで国の財政状態が100倍はよくわかるのではないかと思います。

附属明細書なども詳細についていて、ここからかなりの情報が読み取れるかと思います。

「国の借金がものすごく増えているようだが、日本は大丈夫なのか?」

「政府の借金に対応する資産は何もなくて、国債の実態って実は紙くずなんじゃないのか?」

と心配されてる方も多いと思いますので、今回は、この「国の財務書類」のうち、貸借対照表を中心に、財務に詳しい方も初心者の方もイメージがわくよう、ビジュアル化して見ていきたいと思います。

・・・ということで。

今週の目次&キーワードは以下の通り。

「国の財務書類」とは
「国の財務書類」の課題
「埋蔵金」を探索するには?
日銀、日本郵政は、国の「連結対象」か?
国債は赤字の穴埋めに使われている「紙くず」か?
政府は実質的に「債務超過」なのか?
省庁別財務書類

ご興味がありましたら、下記のリンクからご覧いただければ幸いです。 

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