週刊isologue(第583号)ベンチャーキャピタルGPの新ストラクチャー(実践版その5)
LLPではなく合同会社をファンドのGPにしてパススルーも達成するという方法の第5回です。
さて、ちょっと「ファンド」や「組合」を離れて、例えば原子物理学を考えてみましょう。
普通の人は、「ヘリウムの原子核が陽子2個と中性子2個でできています」と言われても、「なぜプラスの電荷どうしの陽子がそのような極めて狭い空間に同居して、反発せずにくっついていられるんだ?」といった疑問は持ちません。そんなこと知らなくても、日常生活に何の影響もないからです。
同様に、バイオの領域でも、「人間の細胞の核にあるDNAからRNAに転写され、そのRNAをもとに核外でタンパク質が合成されるんだよ」といった、細胞の内部構造やメカニズムも、別に知らなくても日常生活になんの影響もありませんので、ほとんどの人は興味ないと思います。
しかし、そうしたモノの内部の構造に興味を持つ人が、最先端の科学を構築し、その成果が社会を大きく変える原動力になってきたことはご承知のとおりです。
同様に(かどうかは存じませんが)今回は、全然知らなくてもVCはできるものの、知っていると何か将来いいことがあるかもしれない「組合の内部構造」、すなわち、個別の「組合員」の行為がなぜ、どのようにして「組合全体」「各組合員」に効果を及ぼすかということについて、図解を交えながら考えてみました。
本稿は、法的・税務的助言を行うことを目的とするものではなく、財務(ファイナンス)的な観点などから、取り上げたテーマの性質を考えるためのものです。文書を実際に解釈したり運用するにあたっては、弁護士・税理士等の専門家の意見を参考にしてください。
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