フェムトパートナーズ メンバーインタビュー② 山田慎吾 フェムトで実現する「勝てる投資」 - フェムトの魅力と挑戦
「勝てる投資」に魅かれ、フェムトに参画
磯崎 (聞き手) 山田さんは千葉で生まれ育って、高校生の時にブラジルに行ったんでしたよね?
山田 はい、そうです。父の転勤でした。「日本に残ってもいいよ」と言われたのですが、通っていた高校が帰国子女の多い学校だったこともあり、「ブラジル、面白そうだな」と思い、行くことに決めました。
リオデジャネイロという観光都市で、日本人も日系人もあまりいないような場所でした。
磯崎 リオデジャネイロって日本人いないんですか?
山田 はい、駐在員とかもあんまり多くはないですね。
磯崎 では、良くも悪くも日本語や日本文化からは隔離された環境だったということですね。
山田 はい。現地ではインターナショナルスクールに通っていたので、授業は英語で受けて、 日常生活ではポルトガル語という環境でした。
磯崎 どうやって英語勉強していったんですか?
山田 大変苦労しました(笑)ブラジルに行く前は、英語は普通の日本の高校生レベルで、ポルトガル語は全くできませんでした。インターナショナルスクールでも、高校には日本人はおらず、併設していた中学校・小学校に1人ずついただけです。
授業は英語でしたが、最初は、ほとんど何を言っているのかわからず、友達とコミュニケーションするのも苦労しました。
滞在は高校2年間の限られた期間だったので、英語の勉強に集中しようと思い、いろんな勉強法を試しました。例えば、TOEFLの単語本を買ってきて、画像でイメージできるようになるぐらいまで、ひたすら毎日リスニング聞いて覚えるみたいなことを、2年間ずっとやっていました。
磯崎 当時はまだ、YouTubeとかNetflixとかも、使われてない時代?
山田 なかったですね。
1年ぐらいは本当に苦労して、 授業についていくのは大変だったんですけど、2年目ぐらいからその効果が出てきて、そこからだいぶ自信を持って喋れるようになりました。
磯崎 ブラジルは高校卒業までいたんですか?
山田 ブラジルで高校を卒業して、戻ってきて予備校に通い、日本の大学に入学しました。
当時は、海外経験があったので、海外に強い弁護士になりたいと漠然と思っていました。ただ、株式投資が趣味だったこともあり、自分としては法律より、好きな「投資」を仕事にできればなと考えるようになっていきました。
ロースクールの就職説明会は、ほとんどが弁護士事務所のブースだったんですが、一社だけ金融機関で来ていたのが新生銀行グループの投資部門だった新生PI(プリンシパルインベストメンツ)グループで、その流れで面接を受けて受かったので、入社することにしました。
磯崎 そこで当初は不動産融資等の担当だったけど、2017年からフェムトパートナーズの担当になり、さらに2023年にフェムトに転籍を決めたわけですが、フェムトを選択してくれたのは、どういう考えだったんでしょうか?
山田 VC業界に入って、フェムトの投資スタイルが一番「勝てる」んではないかと思ったんです。
フェムトの投資スタイルは、シード・アーリーから億円単位の大型の投資をして発行済株式の10~20パーセントのシェアを持ち、一社一社丁寧に支援をして「メガベンチャー」の創出を目指す、というものですが、それがVCとして一番投資リターンが見込めて勝てる、強いモデルで、それをまさに体現しているなと感じたためです。
磯崎 「そうじゃないか」と思ってそういうスタイルでやってきたわけですが、元外部から見てそう評価してくれて、しかも自分の人生としてフェムトへの参画を選んでくれたというのは、大変ありがたいし嬉しいです!
では、そのフェムトパートナーズにおける現在の業務について、ご紹介いただけますか?
山田 今までは、ファンドの立ち上げから、スタートアップへの投資・支援、エグジットまで、フロントのメンバーとして一通りの経験をしてきました。こうした一連の業務を経験できたのは、良かったと思います。
私が入社した2017年当時から 3号ファンドを組成した2020年頃までは、磯崎さん曽我さん私と3人しかいませんでしたので、 ほとんどすべてのことを回していたと思います。
その後、社員数も倍になり、今も採用を続けていますので、かなり人員体制は拡充してきたと思います。最初から分業前提の場合、「ファンドレイズってどうやってやるのか?」とか、「LPA(ファンドの組合契約書)ってどういう構成になっているのか?」とかいったイメージも湧かなかったと思うので、それが経験できたことは非常に良かったなと思います。
一方で、ファンドや組織がどんどん大きくなってきているので、専門性を持ったミドル・バック部門の方にも入っていただくとか、徐々にそういう風にしていきたいなと思っています。
「優秀かつ熱意のある投資先との時間や経験の共有」こそキャピタリスト業務の醍醐味
磯崎
キャピタリスト業務の魅力、醍醐味についてはどうでしょう?
山田 そうですね、これは色々あるかなとは思いますが、私が思っているのは2点 ありまして、一つは、投資先の皆さんと時間や経験を共有できるところです。
投資先のスタートアップの方々と伴走していると、「大きな契約が取れた!」「資金調達に成功した!」「すごい人材が採用できた!」みたいな嬉しい話がちょこちょこあって、そういう場面を間近で一緒に経験できるっていうのは一つの醍醐味だなと思います。
自分のやったことが投資先企業の成長に貢献する場面もあると思いますし、 我々のアドバイスやサポートによって、投資先企業の進む未来も変わってくる可能性があるという意味では、責任の重い仕事と感じています。
もう一点は、この業界、スタートアップにも投資家にも、優秀な方、熱意のある方がすごく多い点です。
「とりあえず会社行っとけばいいや」みたいな人はあんまりいなくて、皆さん、「事業を成長させたい」「投資がうまくいってほしい」というやる気のある方が非常に多いので、そういう方に囲まれて 仕事ができるっていうのが醍醐味、幸せの一つかなと。
磯崎 なるほど。私は、スタートアップの仕事をし始めて、あまりそれ以外の「普通」の人に接さなくなってすでに四半世紀経ってるので、ありがたみの感じ方が少しにぶってたかもですが(笑)、そうですよね。
では、今後の抱負とか、「どういうベンチャーキャピタリストになっていきたいか」みたいなのは、いかがですか?
フェムトの評判を蓄積する
山田 はい、フェムトとしては、すでにnote社、プレイド社など、IPOの成功案件が出ていますが、それを再現性ある形で続けていきたいと考えています。
そのために、VCとしてどこまでできるのかということに、積極的にチャレンジしたいと考えています。
「投資先が勝手に成長してくれる」というのが一番理想的な形だなとは思いつつも、実際のケースではそううまくはいきません。
今までは、ファイナンス面での金融機関や投資家の紹介が中心でしたが、今後はもっと、投資先のトップラインを上げられる顧客候補の紹介や、有力なキーマンを紹介してチームを作っていくようなHRの支援もできたらいいなと思っています。
磯崎 「一定の勉強をすれば、必ず理想のベンチャーキャピタリストになれる」かというと、そうではないので、なかなか難しいですよね。山の登り方も人それぞれでしょうし。
山田 そういう意味では、フェムトのメンバーの皆さんは、何かしら強みや特徴があるので、それぞれその点を活かして伸ばしていくのがいいのかなと思っています。
顧客候補や人の紹介は、地道で結果になかなか繋がらないですが、私は好きで前向きに取り組める方かなと感じているので、今力を入れています。
そうした「評判」が積み上がって、結果的に、「あのVCのあの担当者に投資してもらいたい」ということに繋がっていくんじゃないかなと考えています。
磯崎 私は、スタートアップの企業価値を上げるには、やはり戦略コンサルティング的な能力は重要じゃないかと考えているのですが、一方で「有名コンサルにいました」とかいう頭が超切れる人でも、例えば「あの人ちょっと性格がキツいよね」となって、いい案件が来ないといったことも起こるかもしれないので、ベンチャーキャピタリストの道は、なかなか難しいですよね。
では、フェムトの良さとして、どんなことを感じてますか?
山田 繰り返しになりますが、やはり投資スタイルが私はすごく魅力的だと思うんです。
非常に合理的だし、高いリターンが見込める、勝てる投資スタイルなのではないかと思ってます。
求める人物像は「腰を据えてしっかり仕事に向き合う気持ちのある人」
磯崎 「勝てる」って、強くていい言葉ですね。
最後に、組織を今後強く大きくしていくために必要となる人材像についてはどうですか?
山田 私は全くの未経験で、入社当初は、ITもわからない、スタートアップもわからない、VC業界もわからないっていう状況で入社したのですが、おかげさまで7年程やらせていただいて一通りのことができるようになってきたので、「スキル面がすごい」というのも大事ですが、腰を据えてしっかり仕事に向き合う気持ちのある人がいいかなと思っています。
磯崎 ベンチャー投資のサイクルは長いので、ベンチャーキャピタリストとしての成長も時間がかかる、よく言えば、時間をかけられる、というのはおっしゃる通りですね。
ありがとうございました!
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