週刊isologue(第102号)ベンチャー企業における転換権付借入の利用(その2)

今回の地震でお亡くなりになられた方々のご冥福、及び、被災された方々の生活が一日も早く元に戻ることを心からお祈り申し上げます。

私はおかげさまで自宅の本棚から本が1冊落ちた程度の影響で家族や親戚にも特に被災したものはおりませんので、今週の週刊isologueは休まずお届けします。

ただ、みなさん何かとバタバタされていて、ややこしい条文などを大量に読むのも大変かと思いますので、今回は、あまり税務や法律等には踏み込まず、図解多めのあっさり目にしてみました。:-) 

今週は、先週に引き続き、米国のベンチャービジネスに使われている転換権付借入(Convertible Promissory Note、以下「Convertible Note」)について取り上げます。

これ、先週もお伝えしたとおり、アメリカではシードやアーリー段階(ステージ)のベンチャー企業において広く使われているようですが、日本法の下でこれを行った会社というのは、ほとんど聞きません。

(先日、米国のエンジェル投資家が日本のベンチャー企業にConvertible Noteで投資をしたようですが、何法に基づく、どういった契約だったんでしょうか。非常に興味あります。)

 

資金調達する側は、設立したばかりで売上もまだ立ってないようなシード・ステージの企業で、投資家側も個人のエンジェルが中心となると、法務を含むアドミニストレーションの体制が整っていないことがほとんどではないかと思います。

日本で今まで実例が無いので、特に最初の例は、法律・会計・税務等の論点を総合的につめて考えないといけないはずですが、あまり専門家に相談するというマインド自体が存在しない段階かも知れません。

また、資金調達額もせいぜい数千万円程度と少額だとすると、何十万円、何百万円といった専門家のフィーをかけるのは、ちょっと割に合わないはずです。

日本にも、こうしたConvertible Noteのひな型が出回って普通に使われるようになれば、ぐっと使いやすくなるのかも知れませんが(その点をこれから検証してみたいと思います)、最初に手を出すのは、なかなか敷居が高そうです。

 

今回は、会計・税務・法律的に、日本でどのようにConvertible Noteが実現できるかを検討する前提として、まず、Convertible Noteの経済的性質を図解で見ながら考えてみたいと思います。

ご興味がありましたら、下記のリンクからご覧いただければ幸いです。

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