週刊isologue(第554号)VCファンド資産の時価評価(2018年版IPEV その4)

今回も、未上場の株式や債権に関する評価基準である、IPEVの「International Private Equity and Venture Capital Valuation Guidelines」の最新2018年版について、前回の2015年版との違いも含めて内容を見ていきたいと思います。

今回は、第3の「価値算定の手法(Valuation Methods)」の項に入り、

3.1 General
3.2 Apply Judgement in Selecting Valuation Techniques
3.3 Selecting the Appropriate Valuation Technique

の3項目を見てみます。

直近の増資価格という項目の扱いが変わっているのが目につくところですが、米国では、IPOラチェットと呼ばれる、IPOの価格で最終ラウンドの投資の株価を調整する条項が付いたり、ソフトバンク(ビジョンファンド)のような、資金力に任せて一つのラウンドに単独で巨額の資金を投じる投資家が現れたりして、直近の取引事例の株価が「秩序ある取引」によって形成された株価と言えない事例が目立っていますが、そうしたことが、この辺の書きっぷりが変化したことと関係しているかどうか?というあたりも見ていきたいと思います。

本稿はIPEVガイドラインの翻訳を試みるものではなく、IPEVガイドラインの内容について研究してコメントすることが目的です。(あまり時間をかけて訳文を考えておりませんので、訳語がこなれていない部分や間違っている部分については、ご容赦・ご指摘いただければ幸いです。)

ご興味がありましたら、下記のリンクからご覧いただければ幸いです。

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