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フェムトマガジン

日本や世界のスタートアップについて、ファイナンスの観点から考えるマガジンです。2020年9月までの名称は「週刊isologue」。
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2018年11月の記事一覧

週刊isologue(第503号)日産自動車ゴーン氏の報酬の開示状況の整理

本件、未だ捜査中で、「ゴーンは有罪だ」「いや無罪だ」と言ったことを推測できる段階ではないですが、まずは基本的な情報として、日産自動車の有価証券報告書や登記簿、事業報告書、コーポレートガバナンス報告書等の開示資料の中身を一通り見て整理しておきたいと思います。

目次とキーワード:

有価証券報告書の報酬の記載
金商法(有価証券報告書)での報酬等の記載ルール
「見込みの額」は記載する必要があるか?

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週刊isologue(第502号)Dropboxの種類株(その4:シード投資補足)

「Dropboxの種類株(その2:シード投資時のスキーム)」で、Y CombinatorがDropboxの最初のシード投資時にconvertible noteを使ったのかどうか、ということを開示資料から検討してみましたが、先週、シリコンバレー在住の渡辺千賀さんから、いろいろ情報をいただきましたので、それを元に補足してみたいと思います。

目次とキーワード:

Y Combinatorはconver

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週刊isologue(第501号)Dropboxの種類株(その3:優先株式の内容)

今週も、米Dropbox社の種類株について見てみます。

今週は、投資家が投資をする際の優先株(preferred stock)の内容をチェックします。

目次とキーワード:

残余財産分配権(liquidation rights)
各優先株の分配の優先順位は?
「non-participating」型優先株
「みなし清算」の定義と拒否権
なぜ、Series B優先株だけハードルが高いのか?
ラウ

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週刊isologue(第500号)Dropboxの種類株(その2:シード投資時のスキーム)

今週も3月にIPOした米Dropbox社の種類株について見てみます。

Y combinatorがconvertible noteを推奨した頃から、レイターステージのファイナンスの巨額化も進み、ユニコーンがなかなか上場しなくなったので、実は、明確にconvertible note等を利用した企業が上場した例というのは、今までなかったんじゃないかという気がします。Dropboxはその最初の例に該当す

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