マガジンのカバー画像

フェムトマガジン

日本や世界のスタートアップについて、ファイナンスの観点から考えるマガジンです。2020年9月までの名称は「週刊isologue」。
¥864 / 月
運営しているクリエイター

2016年9月の記事一覧

週刊isologue(第390号)VCの作りかた(会計・評価編その4)

今回は、VCの特に個人(含むGPのパートナー)についての税務について考えます。

法人税と違って、所得税の計算は体系そのものが非常に複雑な上に、組合や株式等の譲渡所得の税務が加わりますので、今回は全容をイメージしていただくことを中心とし、次回以降、組合の決算を個人の申告に落とし込む「調整表」を設計してみたいと思います。



目次とキーワード

キャピタルゲインは事業所得か譲渡所得か
組合のパス

もっとみる

週刊isologue(第389号)VCの作りかた(会計・評価編その3)

今回は、VCファンドの法人出資者(含む法人GP)の税務について考えます。

ファンドの税務にも詳しい某独立系VCの代表パートナーの方が以前、「ファンド分を確定申告に反映するの、ややこしくて頭がこんがらがる!」と嘆いてらっしゃいましたし、また、自分で投資も行っていてファンドの会計に詳しい税理士さんも「そういえばあんまり深く考えたことなかった」とおっしゃってました。売ってる書籍でも、一般の事業を行う組

もっとみる

週刊isologue(第388号)VCの作りかた(会計・評価編その2)

今回も、VCの会計について考えていきたいと思います。

今回のテーマは、キャリーを「報酬」または「分配」として考えた場合、それぞれ会計上どのように処理されるかについて、具体的に実例を交えながら考えてみたいと思います。
ここは米国で独立系VCが9割超になっている理由の一つでもあると思うので、非常に重要だと考えております。

目次とキーワード

独立系VCのストラクチャー(復習)
契約書の記載
財務諸

もっとみる

週刊isologue(第387号)VCの作りかた(会計・評価編その1)

今回から、VCの会計と、ファンドの主要資産である株式等の評価について考えていきたいと思います。

VCファンドは、世の中の事業の中でも「これ以上シンプルな事業は無いよね?」というくらいシンプルであり、勘定科目もあまり数がありませんので、普通に会計をご存知の方は問題なく理解できると思いますし、会計の知識があまりない方でも理解しやすいと思います。

目次とキーワード

ファンド会計の基本を図解
有責組

もっとみる