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フェムトマガジン

日本や世界のスタートアップについて、ファイナンスの観点から考えるマガジンです。2020年9月までの名称は「週刊isologue」。
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2014年9月の記事一覧

週刊isologue(第286号)「Series Seed」の研究(その2:「カプセル化」された契約書)

今回も、シリコンバレーでシード用に開発された優先株の”ひな型"「Series Seed」の契約書についてみてみます。
アメリカの契約書は日本の契約書より「プログラムっぽい」ことが多いと思いますが、このSeries Seedの契約書は、不肖私が今まで見た英文契約書の中でも最も「カプセル化」や「オープンソース」といったプログラム(コーディング)文化の影響を受けているものじゃないかと思います。

目次と

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週刊isologue(第285号)シード期の優先株「Series Seed」の研究(その1)

今回は、シリコンバレーでシード期用に開発された優先株の”ひな型"、「Series Seed」について研究してみたいと思います。

目次とキーワード 

「Series Seed」優先株とは
開発者
開発者の所属法律事務所
前提となるベンチャーの環境変化
「オープンソース化」
Series Seedの体系
タームシートひな型の内容
タイトル、冒頭部
発行する証券の種類
発行総額
投資家名
株価
残余

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週刊isologue(第284号)ウォーレン・バフェットの資本政策

今回は、日本の個人投資家のみなさんが大好きな、世界最大の投資会社であるバークシャー・ハサウェイの開示資料等を見てみたいと思います。

日本ではウォーレン・バフェットの投資手法や投資哲学に関する書籍などが広く読まれていますが、同氏の運営する会社、バークシャー・ハサウェイの財務内容や資本政策、コーポレート・ガバナンス等について見たことがある方は意外に少ないのではないでしょうか。(というか、私は今まで気

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週刊isologue(第283号)シード投資スキーム「safe」と「KISS」の違い

今週は、米国のシード・アクセラレーターY Combinatorと500 Startupsが考案した「safe」「KISS」という2つのシード投資スキームを比較してみました。

目次とキーワード

safeとKISSのひな型
本文冒頭部
「シリーズ」の概念
次ラウンドで優先株が発行される場合
転換価格
株式の種類
上場する場合
M&Aの場合
清算の場合
「満期」の概念があるか
最恵国待遇(MFN)条

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週刊isologue(第282号)500 Startupの新投資スキーム「KISS」(その3)

今週は、先週の500 Startupの新投資スキーム『KISS』の「Debt Version(貸付金型)」に続いて、Equity Version(エクイティ型)のひな型を見てみます。

目次とキーワード 

エクイティ版(Equity Version)のひな型
ヘッダ部
本文冒頭部
定義
KISSの転換
会社、投資家の表明保証
一般条項
まとめ

ご興味がありましたら、下記のリンクからご覧いただけ

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週刊isologue(第281号)500 Startupの新投資スキーム「KISS」(その2)

以前、週刊isologue第274号「500 Startupの新投資スキーム『KISS』登場」という回で、7月3日に発表された500 Startupの新投資スキーム「KISS」の概要を見てみましたが、今回は「KISS」の実際のひな型Debt Version(貸付金型)について考えてみます。

目次とキーワード

KISSの概要
貸付版(Debt Version)のひな型
ヘッダ部
本文冒頭部
定義

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